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やんごとなき一族(19) (Kissコミックス)
懺悔の時──とは?
懺悔とは自分の罪を悔いて他人に告白すること、、罪びとの多すぎるこのお話で一体だれがだれに懺悔をするのか??!!
ネタバレ含む感想!!!!
深山の株の行方は
圭一はさくら坂銀行福岡支店に株を買い戻したいと携帯電話で連絡を入れるが
さくら坂銀行の丸坊主「申し訳ございません。深山明人様からのご返済は難しいと判断しご融資した13億を回収するため第三者に売却いたしました。
深山圭一「な・・・他人に売っただと・・・!?どうしてそんな勝手なことを・・・!!私の承認も取らず・・・」
さくら坂銀行の丸坊主「そうさせていただきたかったのですがあいにく明人様に止められまして、それにそちらの株には昔から譲渡制限がついておりませんでした。」
譲渡制限がついていない。。だと!?
さくら坂銀行の丸坊主「制限はないという事で手をあげてくださった会社に譲渡しました。所有権はこちらにあったし当行としても一刻も早く回収しないといけなかったので」
深山圭一(なんてことだ先祖代々当主と跡取りだけが引き継いで誰にも触らせない株だから改めて制限をつけてこなかった。まさかこんなことになるとは──)
| 譲渡制限株式 | 非公開株 | 深山家の株 | |
| 定義 | 会社の承認がないと譲渡できない株式 | 証券取引所に上場していない株式 | 譲渡制限なし |
| 電子化の対象 | 対象 | 対象外 | 紙 |
↑多分こんな理解であってそう。
深山家、、リスク管理甘すぎる。
紙の株でもいいよ。。深山家のセキュリティは凄いだろうから。おいそれと圭一の寝室までは入ってこれないでしょう。だけどその株券に譲渡制限つけないってそんな馬鹿な。そんな管理の甘いことで、、またそのことについて顧問弁護士も何も指摘してこなかったのかな。。ってそんなマジツッコミしたら漫画は面白くならない。
深山圭一「誰に売ったんだ」
さくら坂銀行の丸坊主「それはうちからはなんとも・・・」
深山圭一「言え!!誰に売った!!?」
さくら坂銀行の丸坊主「ザラスホテルグループの万野様でございます」(結局いっちゃう)
──圭一と万野社長の話し合い──
深山圭一「率直に申し上げるおたくが買ったうちの株を返していただきたい。」
どうしても深山の株を取り戻したい圭一に万野社長はなんと、福岡のホテルの土地や建設費用含めて譲るよう提案、それは100億は価値のあるものだった。
弁護士たちに釣り合わないと反対される中、圭一は提案を受け入れる。
万野社長「さすがは深山家!一族の誇りを守るためには徹底してますな」
深山圭一「──その代わりこれで完全におたくとの関係は切れた。深山と親しいなどという自慢も二度と口にするな」
圭一の表情に息をのむ様子の万野社長。
万野社長「そうですな。切れてしまうのはツラいですがやむをえん。すぐに売却の手続きに入りましょう。少しの間ですがご一緒出来て光栄でしたよ。」
会談を終えて──
万野社長「ボンクラ明人くんのおかげだ。恨むなら明人を恨め。─いや、あの息子をあんな風に育ててしまった自分を恨むんだな─」
一方、留置所の明人のもとにも磯貝弁護士から株がザラスの手に渡り引き換えにホテルと土地を失った件を聞かされる。
磯貝弁護士「株だけは死守しなければならないとお父様が取引されました。当主としての帝王学なのでしょう」
明人(ああもう 消えてしまいたい)
ことの次第をマダムキリコ伝手に聞かされる健太夫婦。
健太「なんで銀行はオヤジじゃなくザラスに売ったんだ。いくら所有権は銀行にあるといっても債務者の権利を無視したら訴えられる可能性があるのに」
キリコ「うう~んなんかにおうわねぇ~~。そもそも銀行ってフツー未上場株を担保にして融資なんかしないのよねぇ~回収がややこしいし。まして今まで全く取引のない相手に13億?ありえなーい。その銀行はよっぽど深山不動産と繋がりたかったかあるいは誰かに頼まれたか──」
健太「・・じつはオレずっと引っかかてることがあるんだ。以前明人兄を疑ってホテルまで調べに行ったことがあるんだ。でもなんにも出てこなかった。どの部署の人間に訊いてもおかしい数字はないって。オヤジですら弁護士を通じて調べたのにわからなかった。尾形さんが数字を細工してたらしいけどたった一人でそこまで完璧にごまかせるか・・・?何にもないっていった担当者たちはみんなザラスからの出向者だ。」
佐都「それってもしかしてザラスは明人お義兄さんの不正を知っててわざと泳がせてたってこと・・?!みんなグルだったってこと・・?!」
健太「もちろん憶測にすぎないけど。尾形さんの告発もタイミングが良すぎる。これは──思っている以上にずっと以前から多くの人間が関わって計画的に仕組まれたワナじゃないのか───」
キリコ「見過ごせないわね~あのホテルにはうちの大切なソリマチが入ってるのよ。これは調べてみる必要があるわねぇ~」
(マダムキリコもうなくてはならない人ですね!)
──留置所の明人──
刑事「そろそろ本当のこと話そうや。12億もする別荘を3億で買えるなら飛びつくよなぁ」
明人「本当に・・銀行からはもともと5億の物件だと聞かされたんです。僕・・・海外の物件の値段のことは無知で情けないけど信じてしまってホテルをゆかり建設で建てたのも僕が依頼したんじゃなくて最初から決まっていました。」
刑事「おかしいなぁ~じゃあなんのためにゆかり建設は君に安く売った?9億もの値引きよ?なんのメリットがあって?」
明人「わかりません」
──ゆかり建設の取り調べ──
ゆかり建設の社長?「明人さんにハワイを安く売ったのは賄賂じゃありません。」
刑事「ほお賄賂じゃないと?じゃあなんのために?」
ゆかり建設の社長?「ザラスの万野社長に頼まれて」
刑事「つまりザラスからの仕事が欲しかった?万野社長への機嫌取りだったってこと・・?」
ゆかり建設の社長?「・・・そうです。ザラスの仕事がとれるなら9億の値引きくらい元が取れると思って」
──万野社長の取り調べ──
万野社長「私が値引きやプレゼントを強要した?知らんな~~~ゆかり建設が勝手にやっただけでしょう。私はただつぶやいただけなのに私のせいみたいに言われてツラいですな~明人君も気の毒だ!ゆかり建設の勝手な気遣いで賄賂だなんて疑われて。そのせいで大きなニュースになってしまって深山家は大損害を被りましたよ」
そして───
明人「釈放??」
磯貝弁護士「収賄については嫌疑不十分で不起訴になりました。結局犯罪性はないとの判断です。横領についても告訴は取り下げられ示談が成立しました。不可解な点がいくつかある事件でしたが・・・明人さんこれからいろいろあると思いますが強く生きていってください。」
釈放され、通りにベンツを見かけて美保子が出迎えに来たのかと驚く明人。だがそんな訳もなく。
明人(もう芦屋の家には帰れない。誰にも顔向けができない。これからどこへいけばいいんだろう。)
失意の中を歩く明人だが、久美子、健太、佐都が迎えに来ていた。
明人「母さん。健太。佐都さん・・・」
久美「明人・・やせたわね・・・・」
明人「僕みたいなクズはほっておいて。もういきてる価値ないんだ。」
背を向けて泣く明人の後ろ姿に久美が優しく寄り添う。。
(お迎えはレクサスでした)
久美「私のマンションよ。しばらくここにいたらいいわ。」
健太「明人兄・・これからどうするんだ?」
明人「美保子さんから・・・離婚届けが届いたんだ。当たり前だよね・・見捨てられても仕方ない。提出するよ」
佐都(美保子さん・・仕方ないかもしれないけどひどくないか。自分だって裏切ってるのに──)
明人「そしてなんとかしてハワイの別荘を売って──少しでも父さんと美保子さんに弁償してなんとか一人で生きていくよ。生きてても仕方ないけど・・・」
健太「明人兄・・・今回の逮捕にはいろいろおかしいところがあると思う。ワナかもしれない。一緒に調べてみないか」
明人「いや。もういいんだ・・・僕が悪い。ごめんな・・・今まで健太たちにはひどいことしてきたのに・・・・」
佐都(お義兄さん・・・今にも消えてしまいそう・・・)
そんな中、佐都たちの娘─凛が泣いて起きる。(何歳だっけ?)
凛のためにジュースづくりを手伝って、リンゴをいっぱい買ってあるのと久美に健太が頼まれる。
そんな様子を悲しげに見つめる明人。
明人「僕は結局美保子さんを幸せにはしてあげられなかったな・・・彼女の望むことを何一つ叶えてあげられなかった。跡取りの座も財産も──結局子供も作れなくて僕と結婚しても苦しめただけだった。幸せにするって約束したのに──申し訳ない・・・」
佐都「え…?子供を作れなかったって・・圭斗ちゃんは・・・?」
明人「あ・・いや。うん。圭斗がいるね。うん。圭斗は僕の子だ。なに言ってんだ僕は」
必死の形相でごまかす明人。
佐都(え・・まさか。お義兄さん・・・知ってる──!?圭斗ちゃんが自分の子供じゃないってこと──知ってて何も言わず育ててたの。あんなにも大切に誰を責めることもなく)
明人「─じゃあ行くよ。迎えに来てくれて・・・本当にありがとう」
久美「えっ行くってどこへ!?」
明人「変な気は起こさないから心配しないで。しばらく一人でじっくり考えるよ。みんな・・・元気でね美保子さんと圭斗にはもう会うことはないと思うから伝えてほしい。本当にごめんなさい。そして次は幸せになってほしいって──」
バッグ一つで久美のマンションを去る明人。
佐都(この人は──すべて一人で背負って去るのか──)
感想
誰が誰への懺悔だったのか・・・?
明人が佐都への懺悔?というかネタバレ?だったのでしょうか。
実は他の男性の精子提供で授かった子供なことを知っていたという??
全くそんな描写なかったからかなり驚きましたね。
ただ、なんというか、明人ってけなげで憎めないよ。
奥さんを喜ばせたくて跡取りとして認められようと頑張ったり、ハワイの別荘買ってあげたりさ。
譲渡制限なしの未公開株の扱いに関してはやっぱり異常事態でしょう。
例え株の名義人本人の明人が株を持ってきたとしても銀行はプロとして善管注意義務があります。
善管注意義務とは、社会通念上あるいは客観的に見て当然要求される注意を払う義務のことで、何かを委任された人に対して発生する義務です。
怪しいなぁと疑ってしかるべきであり、むしろ悪用したんだよね??となります。
譲渡制限が定められている非上場株式(未公開株式)を売りたい場合は、会社に株式の譲渡に対しての承認を取る必要があります(会社法第136条)
前回も書きましたがこれもあるし、裁判したら100億なんて払わなくても取り返すせるだろう提案をしない圭一お抱えの弁護士は何考えてんの???
| 現実 | 作中 | |
| 未公開株の紙株券 | 今はほぼ存在しない | フィクション的に存在 |
| 譲渡制限なし | 異常。会社の責任レベル | 「設定上の大穴」 |
| 息子が担保に入れる | 名義が本人なら形式上は可能 | 物語のトリガー |
| 銀行が売却 | 現実なら訴訟必至 | 作中では悪役ムーブ |
| 敵企業に売却 | まずありえない | 物語のクライマックス |
| 一族が買い戻す | 本来は裁判で争う案件 | 物語を盛り上げる装置 |
うーん。色々なひとのやらかしがこれから回収されなきゃまっとうにやっている人たちが報われないから必要な展開なんだけど、明人はなんともかわいそだな、、って思っちゃう。
そして物語的にセレブ要素が足りない・・・
いえ、今までの日常生活の煌びやかなシーンよりもけた違いに大きな金額が動いているのでその意味でセレブ要素満載ですけどね。
最近佐都たちはうまくいって、悪役たちが落ちていく、、という流れになっているから安心だけど転落が激しすぎて心して読んじゃいますよ。
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