矢沢あい
表通りから迷路のように
連なる細い道の途中にその地下室はあった
わたしは小学校時代「りぼん」に掲載されていた「ときめきトゥナイト」が大好きだったので
矢沢あいさんも小学校の頃から知っていました。
ただ記憶しているのは中学時代の友達が矢沢あいの漫画が好きだーといってたのを覚えている位で
当時の私は絵がなんかリアルっぽくて受け付けないし話も大人しいしであんまり好きな漫画家さんではなかったです。
おそらくこの漫画家さんの大ヒット作は天使なんかじゃない、ご近所物語、NANAだと思うのですが
その頃はラブレター 風になれ!エスケープ バラードまでそばにいて などで
絵柄はその大ヒット作などとはだいぶん違います。
上記大ヒット作や後期になるにつれ、漫画とはいえ一体何頭身ですか?その細さじゃすぐ骨折だよ、てほどお人形さんの絵になってしまいました。
5巻すべて読みました。ラストがよかったです。
読み進めているうちは女子高校生の悩める日常風なありえないストーリーととりあえず読んでみましたが主人公の紫が28に成長したとき、いきなり現実的になっていました。
なんだこの漫画家さんはただただ美しいお人形さん達の夢物語しかかけないわけじゃないんだなと意外でした。
ま、現実にぶつかりながらも
結婚相手は高校時代から好意を寄せられていて無事医者となったイケメンとなので
そこはまだ夢をこわしきれていませんが。
主人公が恋する相手がジョージというこれまた美形なのですが、キツイ男です。
そのジョージが主人公紫に言い放ちます。
「すぐそうやって人のせいにするし
勉強しなきゃならないのは親が口うるさいせいで
勉強が手につかないのはおれが振り回すせいか
そこにおまえの意志はないわけ?」
ジョージ絶対高校生ってか10代じゃないでしょと思いつつ
不覚にもガーンと打ちのめされてしまいました。
わたしのこと言われているみたい。
詳しく書くと自己嫌悪に陥りそうであまり書きたくないですが
私もすぐ主人やたった5歳の息子にも日々の家事・育児について愚痴をいいます。
でもそれぞれ自分のできることをしているのはみんな同じなわけで
現状については、強制されたわけではなく自分の意志で選び進んできた道で今があるわけで
それについて愚痴られても知らんがなって話です。
オシャレで綺麗なだけの漫画を描く人と侮っていてすみません。
ジョージの先ほどの台詞は
愛人生活を続けていて先が不安で、息子であるジョージにすぐ愚痴を言ってしまうジョージのお母さんがいるからでてくるのですが、私も息子、主人に愚痴ばかりいうのはやめよう!と思えました。
恥ずかしいです。
これは心にとめておこう
絵が受け付けないので購入はしないし、特に感情移入できるポイントもなかったですが(あまりに現実離れしているので)最近の愚痴っぽい自分を反省させられたということで少しおすすめです。